ムートンクリーニング【ビフォー&アフター】 Part.35 クリーニングと長毛を短毛に毛刈り
2022/07/14
実は当店、新しい機材を導入しておりました!
(と言っても去年の話で、ご報告が凄く遅くなっていますが 汗)
どういった機材かと申し上げますと、毛刈りを行えます!
羊の毛刈りといえば、バリカンを思い浮かべる方も少なくないかと思いますが、もっと大型でスイッチやメーターがたくさんある、いかにも工場にあるようなマシンです。
毛の長さを整えたり、毛を短くする時に使うもので、この機材が増えたことで当店の加工範囲も更に広がりました!
機材の写真や構造などの詳しい紹介はまた後日として(また先になるんだろうなぁ 苦笑)、今回は使用例をご紹介!
お預かりしたムートンをクリーニングした後、更に毛刈りを行った案件です。
お客様のご要望で「長毛を短毛にしてほしい」という事でした。
まずはクリーニング&毛刈り前↓
毛長が大体5~6cmの長毛タイプで、表面は変色して少し緑がかっています。
こういう緑がかった変色は色素が変わってしまっているので、クリーニングでは改善されません。
そしてクリーニング&毛刈りをした物がこちら↓
だいぶスッキリしましたね!
短毛としては一般的な25mmにしました。
クリーニングだけではどうしても変色は残ってしまうのですが、表面の毛の変色部分を刈り取る事により、本来の綺麗なグレーブラウンの色が出ています!
毛刈りにはこういった利点もあります。
ただ、実はこの毛刈りには注意ポイントがあります!
まず、毛を短くする事により、クリンプ(毛の縮れ)が表面化しやすくなります。
人間でも短髪にすると癖毛が目立ったり、毛質が変わったように見える方がいらっしゃいますよね?
今回のムートンもクリンプが目立つ箇所がありました。
クリンプの発生加減は個体差によってかなりバラつきがあり、実際に毛を刈ってみないと分からない事が多いです。
時にはクリンプだらけの結果になる事もあるので、クリンプを気にする方にはあまり安易におススメはできません。
※決してクリンプ自体が悪いという訳ではありません。
むしろクリンプを活かした商品もあるので、最終的にはお好みの問題だと思います。
また、毛の密度の問題もあります。
元々密度が低かったり、劣化による毛の擦り切れや、部分的な毛や革の剥がれなどがあるムートンの毛を短くすると、密度の低さが顕著に現れることがあります。
刈る前は視覚的にも触覚的にも毛量感があるので気づかなかったけれど、実はスカスカだったり、十円ハゲのような毛がない所が表面化する場合があるという事です。
(まあ、少し言い方を変えると長毛はごまかしが効くという事です(笑))
更に、今回の場合で言えば、うまい具合に変色部分を刈り取れた訳ですが、変色部分がもっと毛の内部までに及んでいれば、綺麗に刈り取れない可能性もあります。
変色部分が全部残ったり、中途半端に残ったりするケースもあるという事です。
単純そうで奥深い毛刈り。
毛刈りのご相談は受け付けておりますが、注意点がある事は十分にご理解下さい。
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